大腸がんは、誰にとっても身近な病気
日本では、男性の10人に1人、女性の12人に1人が生涯で大腸がんにかかるとされています。あなた自身やご家族が向き合う日が来るかもしれません。『知らなかった』では済まされない現実が、すぐそばにあります。社会全体で正しく知り、支え合える環境が、今まさに求められています。

『知ること』は、生きる力になる
診断・治療、そして術後の生活には多くの選択肢があります。正しい情報を得ることは、自分らしい決断の第一歩であり、生きる力にもなります。しかし、インターネットには不正確な情報や不安をあおる内容も少なくありません。だからこそ私たちは、『信頼できて』『わかりやすく』『すぐにアクセスできる』情報を届ける場として、このサイトを育てていきたいと考えています。

医療者と患者がチームになって伝える
この取り組みは、医療者だけでは実現できません。私たちは、大腸がんを経験した患者さんとチームを組み、共に情報発信に取り組んでいます。科学的根拠に基づく知識を、やさしく、心に届くかたちで伝えること。それが私たちの大切にしている姿勢です。皆さまの声に耳を傾けながら、透明性が高く、信頼されるメディアを目指します。

大腸がんに向き合うすべての人に、前向きな選択と希望を届けるために。
私たちは、これからも歩みを進めてまいります


法人概要

Company

法人名 一般社団法人コロレクペディア
代表理事榎本浩也
設立年月日令和 6年12月23日
所在地東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号ウィンド恵比寿ビル8
事業内容  (1) 大腸がんに関する情報発信及び普及啓発事業
 (2) 大腸がんに関する調査及び研究事業
 (3) 大腸がん患者及びその家族に対するサポート体制の構築事業
 (4) 医療者に対するサポート及び教育プログラム事業
 (5) 患者会及び各種関連団体との連携推進事業

理事・監事

Members


榎本 浩也 代表理事

Hiroya Enomoto

国際医療福祉大学病院 消化器外科 准教授

大腸がんの外科治療、特に直腸がんに対する肛門温存手術やTaTME(経肛門的全直腸間膜切除術)を専門とし、これまで多数の手術に携わってきました。治療の最前線に立つ中で、患者さんが術後に直面する排便障害(LARS)や生活の質(QOL)の低下といった課題に強く関心を抱くようになりました。
特に印象に残っているのは、手術後に「もっと前にこのことを知っていれば選択が変わっていたかもしれない」「医師から説明を受けたが、正直よくわからなかった」という患者さんの声です。医学的に正しい情報を、患者さんやご家族が “自分のこととして理解し、納得して選択できる形” で届けることの重要性を痛感しています。
こうした想いから、医療者と患者がチームとなって正しい知識を発信する一般社団法人コロレクペディアを立ち上げました。
この取り組みを通じて、「知らなかった」ことによる後悔を一つでも減らし、大腸がんに向き合う人々が前向きに選択できる社会を築いていきたいと考えています。


秋月 恵美 理事

Megumi Akizuki

札幌いしやま病院 大腸肛門外科医

2012年から札幌医科大学の大腸外科チームに所属し、大腸癌患者さんの診療に携わってきました。
その中で、直腸切除後の排便障害:LARS(低位前方切除後症候群)に悩む患者さんを多く経験し、「どうすれば少しでも快適に過ごせるのか」と考え続け、LARSの診断・危険因子・治療について研究を進めてきました。日本語版LARSスコアの報告や学会・論文発表にも携わり、2024年からは札幌いしやま病院に移って引き続きLARS診療を続けています。
LARS診療は、私にとって“ライフワーク”そのものです。10年以上の臨床と研究の中で培った知識や工夫が、少しずつ患者さんの笑顔につながっていると感じられるのが何よりの喜びです。
これまでは、診療で出会った患者さんに対する治療が中心でしたが、コロレクペディアの活動を通して、もっと多くの方々に正しい情報を届け、排便管理に役立つツールやヒントを全国の皆さんにお届けできればと思っています。
「こんなことを聞いていいのかな?」ということでも、気軽に知っていただける場にしたいと思っています。

札幌いしやま病院 https://www.ishiyama.or.jp/


仕垣 隆浩 理事

Takahiro Shigaki

久留米大学外科学講座 消化管外科医

直腸がんやLARSという病名は、手術後の生活に大きな変化をもたらす可能性があるため、患者様やご家族に大きな不安を与えるものです。「病気についてもっと知りたい」「治療後の生活はどうなるのだろう」といった疑問や心配を抱えながら、多くの決断を迫られる方も少なくありません。私は大腸・肛門の専門医として、これまで多くの患者様と向き合ってきました。だからこそ、ご自身の選択に心から納得し、安心して前向きに治療に臨んでほしいと願っています。そのために、私は医療イラストレーターとしての経験を活かし、「正しい情報を、わかりやすく」伝えることに力を入れています。文字だけではイメージしにくい手術の内容や術後の体の変化を、一目で理解できるイラストを用いて丁寧に解説いたします。患者様ご自身が病気や治療について深く理解することで、納得感を持って治療に臨めるようサポートします。具体的な手術内容、術後の生活、そしてLARSなどの症状についてイラストを交えてご説明することで、患者様の選択を力強く後押しできればと思っています。また、情報提供だけでなく、我々が行うその他の各種サポートを通じて、患者様が安心して治療に臨み、これからの人生を前向きに歩んでいけるよう、全力でサポートしてまいります。どんな些細なご不安でも、どうぞお気軽にご相談ください。


磯上 由美 理事

Yumi Isogami

皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC ナース)
 
1992 年に看護師資格を取得後、夫の転勤に伴い全国の医療機関で経験を積み、2009 年から14 年間は千葉県の辻仲病院柏の葉に勤務。骨盤臓器脱や下部消化器疾患の手術が多い現場で、WOC ナースとしてストーマ・排泄機能外来を担当し、国立がんセンター東病院との連携により、直腸がん術後の排便機能障害にも専門的に対応してきました。こうした現場での実践を通じて、患者さんの生活に寄り添うケアの重要性を深く学びました。
現在は地元鹿児島にU ターンし、地域の中核病院で褥瘡・足病変・ストーマケアを担当。週1回は直腸肛門科専門の鮫島病院でも外来を継続しています。フリーランスWOC ナースとして、「術後の暮らし」に悩む方々の「どうしたらいいの?」に応えるため、「根拠のある温かな看護サービスの提供」をモットーに活動しております。


佐々木 香織 理事

Kaori Sasaki

直腸がん当事者

1972 年北海道生まれ。津田塾大学卒業後、UHB 北海道文化放送でテレビ報道記者として2000 年まで勤務。夫の転勤でブラジルに2005〜2012 年まで住み、サンパウロで次男を出産。帰国後は東京都内の教育情報サービス会社に勤務し現在に至る。
2018 年に直腸がんに罹患し、腹腔鏡手術にて直腸を切除。その後、3 度の肺転移、2 度の局所再発を経験。重症LARS を経て、2021 年より永久人工肛門を造設、オストメイトとなる。趣味は旅行(国内・海外)、推しは松田聖子さん。YouTube「大腸がんカロリーナ」チャンネルで治療体験や旅の動画を配信中。横浜市在住。一般財団法人ピアリング理事。大腸がん・消化器がん女性のための支え合いSNS コミュニティ「ピアリング・ブルー」代表。

ピアリングブルー https://bleu.peer-ring.com/
大腸がんカロリーナ https://www.youtube.com/@calorin


佐藤 正美 監事

Masami Sato

東京慈恵会医科大学医学部看護学科 教授

私が直腸がん肛門温存術後に特殊な排便障害で困っている人に出会ったのは、1990年の大学院修士課程に在籍していた時、まだLARSという言葉もない時代でした。大学卒業後、外科系病棟で看護師をしていましたが、自宅に帰った後の術後患者さんの生活はどうなっているのか、困っているのではないか、といつも気になっていました。そこで大学院生になり、外科外来で術後患者さんへ面談をしていたところ、LARSを患い困っている患者さんに出会いました。
病気を治そうと手術を受けたが思いもよらぬ排便障害に暮らしが振り回されている、頑張って治療を受けてきたのにコントロールがきかない排便ゆえに、自信さえも失っている人と出会いました。変化した身体とうまく付き合いながら、したいことを少しでもできる生活、「便」が中心ではなく自分が中心になる生活を送るための看護ケアについて探究したいと強く思い、それからずっとこのテーマで研究に取り組んできました。
最新のエビデンスを考慮し、そして医療者そして当事者の体験や知恵を紡ぐことで、一人一人が暮らしたい生活ができるよう、これからも活動していきたいです。