一般社団法人コロレクペディアは、大腸がんについて正しい情報を、わかりやすく発信することを目的として、医療者と患者が協働し、2024年12月に設立されました。日本で最も罹患数の多いがんである大腸がんについて、信頼できる知識を広く届けることで、患者自身が主体的に治療を選び、生活の質を高めながら、前向きに病と向き合える社会の実現を目指しています。


コロレクペディアとは・・・
 『結腸直腸(=大腸)』を意味するcolorectal(コロレクタル)に、『〜に関する知識の集まり・百科事典』を意味するpedia(ペディア)を組み合わせ、Colorecpedia(コロレクペディア)という名前が生まれました。

Hiroya Enomoto
榎本 浩也

国際医療福祉大学病院 消化器外科 准教授

代表理事あいさつ

私はこれまで長年、大腸がんの診療と研究に携わってきました。日々の診療の中で強く感じるのは、大腸がんは「治療」だけでなく「術後の生活」「社会との関わり方」にも深く影響を及ぼす病気であるということです。
治療の選択、手術後の暮らし、仕事や家族との関係—そのすべてに「正しい情報」が必要ですが、十分に届いていないのが現状です。特に私が専門とする直腸がんの領域では、術後の排便障害や人工肛門の管理など、患者さんの日常生活の質(QOL)に大きく関わる課題が多く存在します。こうした問題について、医療者からの説明だけでは、患者さん自身やご家族に十分に伝わらないことも少なくありません。
『もっと早く知っていれば』『きちんと理解できていたら』—そんな患者さん達の声に背中を押され、この活動を始めました。
全国各地の医師、看護師、当事者患者など医療にかかわる様々なメンバーが集い、この活動を行っております。患者さんに分かりやすく、医療者にも役に立つ、そんな情報提供ができればと考えております。

理事

秋月 恵美

Megumi Akizuki

札幌いしやま病院
大腸肛門外科医

札幌医科大学の大腸外科チームに所属し大腸外科医として多くのLARS診察に携わってきました。またLARSの診断・危険因子・治療についても研究を進め、日本語版LARSスコアの報告や学会・論文発表にも携わっています。コロレクペディアの活動では研究と臨床の経験を活かし、目の前の患者さんだけではなく、全国の皆さんへ正しい情報をお届けしていきます。


仕垣 隆浩

Takahiro Shigaki

久留米大学外科学講座
消化管外科医

大腸・肛門の専門医として直腸がんやLARSの患者さんと日々向き合っています。専門医の知識と経験を活かし、患者さんの不安に寄り添い、直腸がんに関する正確で分かりやすい情報の継続的な発信と各種サポートを行っています。患者さんが安心して前向きに治療に臨める環境を作っていきたいと思います。YouTubeチャンネル【直腸がん大事典】では主に臓器イラストを担当しています。


磯上 由美

Yumi Isogami

鮫島病院/フリーランスWOC
皮膚・排泄ケア認定看護師

看護師資格を取得後、全国の医療機関で経験を積み、WOCナースとしての専門性を高めてきました。現在は地元鹿児島の地域中核病院で褥瘡・足病変・ストーマケアを担当し、週1回は直腸肛門科専門の鮫島病院でも外来を行っています。術後の暮らしに悩む方々の「どうしたらいいの?」に応えるため「根拠のある温かな看護サービスの提供」をモットーに活動しております。


佐々木 香織

Kaori Sasaki

ピアリング・ブルー代表
一般社団法人ピアリング理事

2018年に直腸がんに罹患し、3度の肺転移と2度の局所再発を経験。重症LARSを経て2021年に永久ストーマ造設、オストメイトとなりました。YouTubeチャンネル「大腸がんカロリーナ」で自身の経験を発信、また講演等でがんの啓蒙活動を行っています。現在も合併症の排尿障害と向き合いながら生活しつつ、「一人じゃないよ」を合言葉に、ピアリングで患者支え合いの輪を広げています。


監事

佐藤 正美

Masami Sato

東京慈恵会医科大学医学部看護学科
教授

大学院修士課程在籍中の1990年、LARSという言葉もない時代に、直腸がん術後の排便障害に悩む患者さんと出会ったことがきっかけで、このテーマに取り組み続けています。「便ではなく自分が中心の生活」を送れるよう、エビデンスと当事者の声を活かした看護ケアの研究と実践を重ねてきました。
大学教員としては、看護師を目指す学生や専門看護師をめざし仕事と勉学を両立しながら頑張っている学生の教育に携わっています。


メンバー

矢野 雷太

Raita Yano

広島記念病院
消化器外科医長

「最期はあなたに看取ってもらいたい」と言ってもらえる外科医を目指し、大腸肛門疾患の外科手術だけでなく、緩和ケア、褥瘡治療、在宅医療のバックアップ入院診療も行っています。
2020年に「排便機能外来」を開設し、生活の質を改善する医療を提供するために、便秘、便失禁、術後排便障害、人工肛門ケアなど、排泄障害の診療に注力しています。日本福祉医療ファッション協会の副代表理事も務めています。


槌野 正裕

Masahiro Tsuchino

大腸肛門病センター高野病院
理学療法士(運動器認定理学療法士)

2005年から排便障害の患者さんへの保存的治療を始めました。排便障害、特に便排出障害と呼ばれている便が下りてきているけどなかなか出せない方に対して、正しい便の出し方を指導しています。
高野病院では直腸がんの手術を行われる方も多くいらっしゃるため、手術前から術後の合併症予防に努めており、直腸がん術後の排便障害を少しでも予防するための取り組みを行っています。


望月 ミサ

Misa Mochizuki

グラフィック・デザイナー
卵管がん経験者

がん患者でありながら、腸・消化・排泄のことはまったくわからない白紙状態から制作へ意見を出しています。デザイナーとしてはコロレクペディアのロゴマークと、キャラクター「Dr.エノモン」を作画。それに続いて個性豊かな先生が次々と現れるのが頼もしく、楽しく関わらせていただいています。乳がん・婦人科がん・消化器がん患者のコミュニティを運営する一般社団法人ピアリングで理事を務めています。


しみず みゆき

Miyuki Shimizu

情報システム担当
コンサルタント

普段は会社員でコンサルタントをしています。コロレクペディアでは、情報システム全般をサポートしています。この活動をきっかけに大腸内視鏡検査を受けた結果、大腸がんが見つかり切除しています。毎年欠かさず人間ドックを受けている自分がなぜ!?と思いましたが、当事者になったからこそ、検査で早期発見、治療ができる大腸がんの知識を幅広い世代に広めたいと考えています。